LIVE REPORTS

ARTIST ARCHIVES

MONTHLY ARCHIVE

VIDEO ARCHIVES


THE BRAND NEW HEAVIES

artist THE BRAND NEW HEAVIES

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

寒さを吹き飛ばす、熱狂のパーティ・タイムがバレンタイン・シーズンのブルーノート東京で繰り広げられています。インコグニートと人気を二分する"アシッド・ジャズの王者"、ザ・ブラン・ニュー・ヘヴィーズ(BNH)の登場です。

超満員のオーディエンスからの盛大な拍手を受けたサポート・メンバーが位置につき、その後、真っ赤なハットをかぶったサイモン・バーソロミューが客席通路に登場。ギターは抱えているものの、まだ音は出さず、オーディエンスを煽りに煽ります。その熱気の中、続いて現れたのは、べースのアンドリュー・レヴィ。サングラスとロングマフラーがよく似合います。やはり、まだ音は出しません。頭上でガッチリ手を合わせたふたりは、そのままバンドスタンドに向かい、ここぞというタイミングで演奏にとりかかります。重厚なベースの音色と軽快なフレーズ、ギターによる無類に歯切れ良いリズム・カッティングとロック調のソロ。そのコンビネーションの妙に、「ああ、今、ザ・ブラン・ニュー・ヘヴィーズを聴いている」という快感は増すばかりです。

「Gimme One Of These」、「Sphynx」など名盤ファースト・アルバム『The Brand New Heavies』(1990年)からの曲をメドレーで聴かせた後、いよいよ現ヴォーカリストのアンジェラ・リッチのフィーチャリング・ナンバーへと突入します。スタイリッシュな彼女が登場すると、ステージ上はさらに華やかになり、「Never Stop」、サイーダ・ギャレットの名唱が古くからのファンには印象深いであろう「Sometimes」など90年代のBNHクラシックスが次々と、2024年の空気の中でプレイされてゆきます。マリア・マルダーの古典的ナンバーをダンサブルに衣替えした「Midnight At The Oasis」から、「Daybreak」へとメドレー形式で進む、つまり真夜中→夜明けと続けていくあたりも実に心憎いプログラミングです。

「BNH」では、アコースティック・ジャズの第一人者であるテナー・サックスのリチャード・ビーズリー、トランペットのベン・エドワーズ(エイミー・ワインハウスやベースメント・ジャックスと共演)、キーボードのマット・スティールらも快演を繰り広げ、大定番「You Are the Universe」ではアンジェラと、パーカッションのミム・グレイがヴォーカル・パートを分担。場内総立ちのまま、盛りだくさんのステージは幕を閉じました。

初日のファースト・セットからいきなり、パワー全開のパフォーマンスです。公演は15日まで続きますが、生粋のエンターテイナーであるザ・ブラン・ニュー・ヘヴィーズだけに、各ステージ、ますます白熱していくのは間違いのないところでしょう。

(原田 2024 2.13)

Photo by Tsuneo Koga

ーーー
本公演は明日2月15日(木)まで開催中!

~LIVE INFORMATION~
『THE BRAND NEW HEAVIES』
2024 2.12 mon., 2.13 tue., 2.14 wed., 2.15 thu.
詳細はこちら

SET LIST

2024 2.12 Mon.
1st
1. GIMME ONE OF THOSE ~ PEOPLE GET READY ~ SPHYNX
2. RIDE IN THE SKY
3. NEVER STOP
4. SOMETIMES
5. BACK TO LOVE
6. DREAM ON DREAMER
7. MIDNIGHT AT THE OASIS
8. DAYBREAK
9. BNH
10. STAY THIS WAY
11. SPEND SOME TIME
EC. YOU ARE THE UNIVERSE
 
2nd
1. GIMME ONE OF THOSE ~ PEOPLE GET READY ~ SPHYNX
2. RIDE IN THE SKY
3. NEVER STOP
4. BACK TO LOVE
5. DREAM ON DREAMER
6. MIDNIGHT AT THE OASIS
7. DAYBREAK
8. BNH
9. STAY THIS WAY
10. SPEND SOME TIME
EC. YOU ARE THE UNIVERSE

INDEX